流氷に覆われたオホーツク海と知床連山を背に走る釧網本線の列車

流氷の網走、
三日間。

海が凍る町で、氷を割って進み、
監獄の煉瓦に触れ、
千三百年前の海の民に会う。

北海道網走市・2泊3日のモデルコース。おすすめは流氷の季節、2月です。

写真:MaedaAkihiko / CC0

海と、獄と、北の民。

網走は、北半球で海氷が届く南の果てのひとつです。真冬のオホーツク海を埋める流氷、明治の北海道開拓を囚人の労働が支えた歴史、そしてアイヌ文化以前にこの浜で海獣を狩って暮らしたオホーツク文化の人びと。この三日間は、その三つを順にたどりながら、毛ガニやキンキ、ホタテといった海の恵みを食べ歩く旅です。

流氷の海を進む砕氷船おーろら

流氷に乗り出す

砕氷船おーろらで沖へ。船の重みで氷を割る音と振動を、甲板で全身に受けます。

博物館網走監獄の赤煉瓦の正門

開拓の影を知る

明治の監獄建築がそのまま残る博物館網走監獄。北海道の道路は誰がつくったのか、を考えます。

北海道立北方民族博物館の外観

北の民に出会う

北方民族博物館とモヨロ貝塚。グリーンランドから北海道まで、寒さと生きた人びとの知恵を見ます。

三日間の行程

羽田から女満別空港へ飛び、現地はバス・列車・タクシーで動きます。雪道の運転は不要です。時刻は2026年2月の実績ダイヤをもとにした例で、2027年シーズンは各社の最新時刻表で確認してください。

流氷とオホーツク文化の浜

到着したその日に、いちばん大きな体験から。

11:30

女満別空港から網走市街へ

空港連絡バスで網走バスターミナルまで約35分。道の駅までは歩いて15分ほど、荷物が多ければタクシーで数分です。

12:30

道の駅 流氷街道網走で昼ごはん

フードコートで、網走ご当地の「オホーツク網走ザンギ丼」か、魚介たっぷりの「網走ちゃんぽん」を。ここが砕氷船の乗り場でもあります。

冬の道の駅流氷街道網走と停泊する砕氷船
写真:221.20 / Public domain
14:00

流氷観光砕氷船おーろら

約1時間の沖合航路。流氷が接岸していれば、港を出てすぐに白い原野の中へ入っていきます。船体ごと氷に乗り上げ、重さで割って進む仕組みです。

なぜ網走の海は凍るのか。アムール川の大量の淡水が流れ込むオホーツク海は、表面の塩分が薄く凍りやすい海です。北で生まれた氷が季節風と海流に運ばれ、例年1月下旬から2月ごろ網走沖に届きます。

大人 7,000円運航 1月20日〜3月31日料金・時刻表(公式)
おーろらの甲板から見る一面の流氷
写真:kkawamura / CC BY 4.0
15:15

モヨロ貝塚館

網走川の河口に残る、オホーツク文化の国指定史跡。1913年、網走で理髪店を営んでいた米村喜男衛がこの貝塚を見つけたことから研究が始まりました。冬は16時閉館なので、船を降りたらタクシーで向かいます。

オホーツク文化とは。約1300年前、サハリン方面から南下し、オホーツク海沿岸に暮らした海の民の文化です。アザラシやクジラなど海獣を狩り、クマを特別に扱う儀礼を持っていました。住居跡や墓、骨角器から、その暮らしが見えてきます。

大人 300円月曜・祝日休館(7〜9月は無休)モヨロ貝塚館(公式)
モヨロ貝塚館の建物
写真:Ozizo / Public domain
18:30

夕食:寿し安の「オホーツク寿司」

地元の海で揚がるネタを中心にした10貫。釣りキンキやカニの内子のにぎりも名物です。宿は網走駅前に取り、2泊とも街なかで食べ歩けるようにします。

3,240円寿し安

この旅で食べるもの

オホーツクの冬は魚介がいちばんおいしい季節です。行程に入れた店と、入れ替え候補を並べました。価格は各紹介記事・公式掲載時点のもので、変わっている場合があります。

いくらかかるか

条件を選ぶと、この行程どおりに動いた場合の1人あたりの費用を計算します。施設・交通の料金は公式情報、宿と航空券は変動が大きいため目安です。

タクシー代は人数で割って計算します。

JALの片道最安は11,450円〜。2月の流氷期は高くなりがちなので、早めの予約が効きます。JALの路線ページ

宿(2泊)

夕食の予算

「奮発」は2日目を花のれんの釣りキンキコース(1人あたり5,000円で計算)に置き換えます。

0円 / 1人
グループ合計 0円

宿泊税・入湯税(宿による)、お酒、空港までの往復交通は含みません。駅前ホテルの料金は2名1室時の最安目安で、1人利用や週末は上がります。

流氷の季節でなくても

砕氷船と流氷物語号は冬だけですが、2日目の天都山とモヨロ貝塚は一年中楽しめます。冬以外なら、1日目と3日目をこんな場所に入れ替えられます。

赤く色づいたサンゴ草の群落

能取湖のサンゴ草

9月ごろ、湖畔の湿地が真っ赤に染まります。

写真:melvil / CC BY-SA 4.0
能取岬から見る夕暮れのオホーツク海

能取岬の夕日

オホーツク海に突き出た断崖と灯台。夕暮れどきがいちばん美しい場所です。

写真:Masatoshi Konishi / CC BY 4.0
濤沸湖の湖面

濤沸湖

ラムサール条約の登録湿地。白鳥や渡り鳥が羽を休めます。

写真:Soica2001 / Public domain

出かける前に

旅の日取り
流氷物語号が走る2027年2月が最適です。モヨロ貝塚館と北方民族博物館は月曜休館なので、1日目・2日目が月曜にならない日程を選んでください。
流氷は自然まかせ
風向きによっては流氷が沖に離れ、見られない日もあります。おーろらは流氷がなくても運航しますが、当日の氷の状況は公式サイトで確認できます。
予約が要るもの
航空券と宿は早めに。おーろらは予約がおすすめ、流氷物語号は全車指定席、モヨロ鍋は前日までの予約制です。
服装
2月の網走は日中も氷点下が続き、砕氷船の甲板は海風でさらに冷えます。ダウンの上着、帽子、手袋、ネックウォーマー、滑りにくい靴底の冬靴を用意してください。
現地の移動
観光施設めぐりバスは本数が限られます。乗り遅れた場合に備え、網走ハイヤー各社の連絡先を控えておくと安心です。
もっと調べるなら
網走市観光協会、網走市観光課の観光サイトに、イベントや季節の情報がまとまっています。